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しろまち堂~本館・こちらは新館です~

読んだ本のなかでも、イチ押しおススメの本をご紹介しています。 FC2の『しろまち堂~本館(休館)~』( http://honwagohan.blog19.fc2.com/ )から引っ越してきました。よろしくどうぞ

牛腸茂雄写真 こども (白水社)

そっか、没後30年で出版されたんだ。 

 

作品紹介の文章がありませんでした。飯沢耕太郎監修の、上記の写真集からこどもの写真を集めたリメイク的な写真集です。

 

わたしは写真がすごーく好き…というわけではないのですが、

「この人のこの写真集を手元に置いて、好きな時に手にとって見たい」

という写真家が何人かいるんですね。

 

ロバート・メイプルソープの花の写真、

SUARESという人が編集した犬と猫の写真、

そして牛腸茂雄のこどもの写真。

 

最初の二人に関しては、それぞれ写真集が出ているのでそれを持っています。

牛腸茂雄氏に関しては、こどもだけの写真集が以前はなかったので、この人の事を初めて知った写真季刊誌『deja-vu』を大事に持っていました。が、この本が出たからにはこっちに切り替えてもいいかな…と思っています。ちょっとサイズ小さめな気もするけど。

(ちなみに、どうしてdeja-vu』を知ったかは、今はもう全然思い出せないんですが、deja-vu (写真) - Wikipedia によるとこの牛腸特集の号が話題になったようですから、たぶんそのあたりの時期にネットかどこかで情報を拾ったものだと思われます)

 

わたし、好みのものに関しては集中して情報を仕入れるタイプなんですが、知った時には牛腸氏はすでに故人。プロフィールやインタビュー以上のことはわからず★

 …でも、写真家だし、写真で語っているんだからもうそれでいいと思うしかないのかなー。

 

何かを<語る>写真を撮る方です。

「見ろ」というメッセージとは違うのだけど、この方の撮った写真は他の人とどこか違っていて、それはたぶん、視点の高さにもあったと思います。

Wikiや著者プロフィールにも書かれていますが、脊椎カリエスを患ったことで身長が低くていらして、それが独特のアングルにもつながっているようです。

 

わたしが親和感を抱いたのも、きっと自分の視点に近いからでしょう。

人って、みんな見ている高さが違うけれど、その視野を比べることってできなくて。でも、写真にするとそれが個性になってあらわれるんですよね。

面白いものです。

 

牛腸氏はこどもをたくさん撮影していますが、知り合いだけではなくて被写体・モデルとしてお願いした子も多数いるようで。

どう頼んでどう撮影したのかはわかりませんが、馴染んでない子がカメラを向けられて困惑したり緊張している様子もそのままに写し取っています。

ちょっと猫の撮影写真に似ているかも…と、今、文章を書きながら思いつきました。街で出会った猫にカメラを向けると、逃げないとしても警戒して怪訝な顔をされちゃいますよね。あんな感じです。

 

中にはふつうにおどけている子もいるし、撮影自体がなんだかわかってない年齢できょとんとした顔の子もいる。

撮影者の牛腸氏の表情はもちろん見えないのですが、特別あやすわけでもなく淡々と撮っていらしたんじゃないかなー。ノリとか皆無で、ただ、「今」のその子を写す。勝手にそんな撮影のようすを思い描いています。

 

この方の写真はもっともっと見たかったなあ。

この本の巻末にある監修の飯沢耕太郎氏の解説には

牛腸氏が『老年の「時間(とき)」』と題された写真群の連作が視野に入っていたらしいと書いてあって、ああ、見たかったなあと。

亡くなった方の未来を考えてもせんないことですけど、でも、

この写真集↑に収録された作品はどれも大好きなので、お年寄りを撮影したらどんな写真だったかしら…と、やっぱり考えちゃいますねー。

 

いつもなら、著者や作品についての感想のあと

『この本はこんな方におすすめです』

っていう事を書くんですが、

この本に関してはそれができないみたい。

まるっきりわたしの趣味なので、ただ眺めるだけ。いくつかの写真集にバラバラに収録されていたこどもの写真がまとまって、ああ、わたしの好きな写真がかなり集約されてるなって、それだけです。

牛腸さんって写真家さんがいたんです。わたしは大好きなんですーって一言に尽きますね。

 

もし、この記事を読んで牛腸氏に興味をお持ちになる方がいらして、そしてどこかで写真をご覧になっていただいたりしたら…、とてもとても嬉しいです。

気になりましたらよろしくどうぞ。

 

 

 

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