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しろまち堂~本館・こちらは新館です~

読んだ本のなかでも、イチ押しおススメの本をご紹介しています。 FC2の『しろまち堂~本館(休館)~』( http://honwagohan.blog19.fc2.com/ )から引っ越してきました。よろしくどうぞ

ブログ引っ越しました

FC2→はてなブログ→FC2 という流れです。

ハイ、出戻りました(笑)。

 

shiromachidohonkan.blog.fc2.com 

埋め込み画像の紹介文にもありますが、このブログと旧館の記事、全部を統合して掲載。いまは新しい記事の更新とあわせて過去記事のカテゴリ分けをちまちまとやっております。

 

 

はてブ、カテゴリが複数登録できたりして便利だったんですが、画面編集が思ってたよりハードルが高かったです。

本情報を貼りこむと、その下の文字が大きさとかいろいろ変わっちゃうんです。わたしの知識じゃ追いつかない!

頑張ってはみたんですが、そこに労力を使うとブログを書く方のパワーががっこり目減りしてしまい…。

残念ですが撤退でございます★

 

記事のリンクの都合などがありますので、このブログはこのまま残しますが、今後の記事の更新はありません。

 

これからは、FC2でよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

モップの精は旅に出る(近藤史恵・著 実業之日本社)

大好きなシリーズです。が…

 

新刊が出たと思ったら…なんと…

 シリーズの最終巻

残念です~★

 

単行本にしては珍しく著者あとがきがあって、そこで最終巻であるお知らせを読み、ガーンとショックを受けました。

作中では5年ちょっとの経過ですが、現実では出版から13年、著者の構想からは19年たっているとのこと。ずれによっての違和感はないとのことでしたが、そうはいっても作品もイキモノですものね。著者の中で区切りがついてしまったということみたいです。

 

清掃のお仕事をしているのに、いつも華やかな服装で、人がいないときには大声で歌ったりする「らしく」ないキリコちゃんにもう会えないのかと思うと淋しいわーと、再度読み直してみたり。

 

観察眼が鋭くて、推理力もあるので、仕事先のオフィスでトラブルがあったときに誰かが相談すると、清掃のお仕事をしているキリコちゃんが探偵的に日常の謎を解く、というのが基本設定。

お掃除という仕事と、人が無意識に出しているシグナルってリンクしているのかもなー、と読みながら思ったりします。

 

そういえばこのシリーズ、最初は旦那さんの大介くんの語りから始まったんですよね。出会いが最初の話で、その本の終わりでふたりは結婚して。

それからの大介くんは、ときどきぴょいっと顔を出すくらいですが、活躍するというよりも、キリコちゃんをしっかり支えている存在なんですね。

結婚して5年がたってもいいカップルよねーとしばしばにんまりします。

5年以上たって「ちゃんとわたしのことを見ててくれる」ってかなりポイント高いですよ、うん♪

 

そしてシリーズ最終話では久々に彼・大介くんの語りでストーリーが進みますが、これがね、彼のいいところがとってもよく表れているんです。

 

キリコちゃんの家族が亡くなって。急な話だから、気持ちの立て直しがうまくできなくて。

その彼女の「普通にしていなくちゃいけない」を見抜いて「無理しなくていい」って伝えて、彼女のこんなふうに過ごしたいをかなえてあげるの。

何よりも、最中に押しかけてくる親戚のあしらいかたが素晴らしくて、もう神対応

キリコちゃんじゃなくて大介くんの親戚だけど、結婚していれば(とくにうるさい親戚からみれば)そうもいってられないもの。そこをキリコちゃんとは一切会わせず、しかも彼女には責任がないように計らう。

こんなやりかたがあるのかー⁉とビックリでした。

これ、パートナーがいる人は対処法を頭のどこかに入れておいて、もしものときにスマートに対応できれば、パートナーからの評価、めちゃめちゃ上がりそうな気がします。ホントこの話の大介くん、かっこよかったっす!

 

いつも周囲の人の問題を解決するキリコちゃんがこの最終話では自分の問題に大介くんと一緒に立ち向かって。事態には一区切りついて、でも彼女たちの人生はまだこれからも続いていくんだなって物語の結び。

何度も繰り返し読みたくなる作品って、こんなふうに面白くって楽しくて、『登場人物はホントにどこかにいて、わたしたちはその一部分をのぞいてるだけ』って気分にさせてくれるんですよね。

 シリーズ最初の作品からずっと、次はいつ出るのかなって待ってたキリコちゃんの続きが読めないのはホントにホントに淋しいんですが、でも納得できる最終巻なのでした。

 

著者の近藤さんに「楽しい時間をありがとうございました」ってお伝えして記事を結びたいと思います。

(そして早く重版がかかって、最終話の誤植がなおりますように!)

銀河鉄道の夜(宮沢賢治・文 清川あさみ・絵 リトルモア)

ソーイング好きな方へのプレゼントにもいいかも?な繊細できれいな絵本です。

 

リトルモアの絵本はビジュアル系のものが多くて、感覚的に合う・合わないがはっきりしているんじゃないでしょうかね。

個人的にはこの絵本はかなりツボです。

 

旧館のときカテゴリを真っ先に作ったくらい宮沢賢治は好きな作家です。

すべてが名作とは言いませんが(むしろ作品によってクオリティの差が大きい作家です)、とにかくたくさん絵本化されています。

そして、その中でもこの『銀河鉄道の夜』は画家数めっちゃ多い!

画家の心をくすぐる作品なんでしょうね。

 

 

個人的な好き嫌いで言うと、嫌いではないけど、好きというほど思い入れはない作品ですが、とにかく人気が高いので目にする機会も多く、結果、あれがいいこれはどうかななどと考える機会も多くなります。

で、清川あさみさんという方の絵本作品を見て興味がわき、他の絵本作品は…と検索して『銀河鉄道の夜』を発見。

アタリの香りがする!と読んでみた次第。

 

布や刺しゅう、スパンコールなどをふんだんに使った挿絵はゴージャスかつ繊細。

使われている素材を考えると女性寄りかなー、と思いますが

男性が拒否感を感じるほど甘くもない仕上がりになっています。

そうはいっても冒頭にも書きましたが、ソーイングする人の喰いつき率は高そう。わたしは自分で絵を描くわけではないですが、この組み合わせの多彩さに驚きました。同じく手法を見て目からウロコの人もいることでしょうね。

 

色合いは夜の暗さをふんだんにあらわすためでしょうか、重たいくらいの色使いですが、素材で質感を軽くしています。バランスいいなー。

絵の数も多く、そのうえ文章だけのページの配色にも心遣いが感じられ、パッと見るだけで「贅沢な絵本だなー」って感じ。

 

丁寧だけど入れ込みすぎていない、文章との程よい距離感は手法のためか、それとも画家の感覚なのか。

この作品、抒情的な文章なので絵がそこに近づきすぎると湿った<泣かせ>の雰囲気になってしまうような印象があり、わたしはそういうの苦手なので、距離感があると安心するんですね。

銀糸で直線的なステッチがシャープだからか、それとももっとほかに理由があるのかわかりませんが、文章と絵が重なりながらも独自の世界を作っているようで、コラボという言葉が似合います。

 

個人的にはいまのところイチオシの『銀河鉄道~』かも。

ほかの清川作品もぜひ読んで、今後また紹介したいと思っています。

 

 

本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」(香月美夜・文 椎名優・絵 TOブックス)

タイトル見た時から気になってました。活字中毒の好奇心、めっちゃそそられません?

今第二部の三巻目までが出版されてるようです。

コミカライズもされてるみたい。未読ですがそちらも気になりますねー。

(個人的には脳内で名香智子さんの絵で世界が展開されていたりします…)

 

京都「トカイナカ」暮らし(グレゴリ青山・著 集英社インターナショナル)

ミヤコ出身の著者による、京都再発見のコミックエッセイ

アンと青春(坂木司・著 光文社)

なんて美味しそうな表紙なんだ!

内容紹介

果てしない未来と、果てしない不安。甘いお菓子が、必要だ。待望の続編! 美人で頼りがいのある椿店長。 「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。 そして、食べるの大好きアンちゃん。 『みつ屋』のみんなに、また会えます──。 50万部突破のベストセラー、待望の続編ができあがりました! 

 

やっと出版されましたー!ホントに待望でしたよ。

5年?6年?なんかそれくらいぶりです。

今作を一言で表現するなら、ズバリ

ダブル乙女の悩み

 でしょうか。

読めばわかる。読んでください、と書いて済ませたいくらいですw

 

ま、そんなわけにもいかないので、例によって個人的感想をつらつらと。

 

前回同様、デパ地下の和菓子屋さんで出会う日常の小さな謎を解読していくタイプの連作短編集の趣。

今回はちょっとほろ苦い話が多めかな。とはいえ深刻ではない展開なので安心して読めるのは変わらず、です。

 

そして読んでいるうち、このシリーズに時間がかかるのがなんとなくですがわかります。

「若いっていいね」っていう人もたくさんいますが、いいねって言われる裏側でしんどい思いをしていることもいっぱいあって。

主人公のアンちゃんの内心を表す文章を読んでいるうち、そうだよねー若いってしんどいことでもあるんだよねーって思い出します。

元気だけど経験値が足りないから、空回りしたり、考えすぎちゃったり。

真面目に仕事していて、一緒に働く人にも恵まれてるけど、この先どうなるの?どんな自分になりたいの?ってつい考えちゃう。

こういう、いわゆるフツーの子の迷いとミステリを共存させて、なおかつ主人公の成長や和菓子の話も入れて…ってなると、要素とバランス諸々の兼ね合いが難しいんじゃないかなー、と。

 

アンちゃんは相変わらず生真面目で素直で美味しく味わうのが上手。周囲の人たちにもかわいがられています。

自己評価の低さにもどかしさを感じる人もいるかもですが、自分のいいところは「あたりまえ」「フツーのこと」だと思っていて気づかないのが彼女らしさでもあるのでねー。このあたり、なかなかビミョウです。

どう見てもモテてるのに気づかないしな!前作の紹介記事でも書いたけど、ホントに誰か教えてあげてほしいですよ。

アナタ学校ヨリモ社会ニ出タラ抜群ニモテルタイプナンデスヨ~♪

ってね^^

 

一方で変化しまくっちゃってるのが立花さんです。

前作では割とシンプルに〈乙女男子〉だったんですが、今作ではすごく複雑。

乙女度も(やや)低くなって、お悩み真っ最中で。

が・がんばれー!っと読みながらココロで応援。

 

ところで立花さんって、おいくつ?たしか前作でも書かれていないんだよね。

年齢差は…?とかいろいろ妄想たくましくなっちゃいます( ´艸`) 

師匠と読者にはバレバレのつつぬけで、お相手は全然まったく気づいていない恋がこの先どう展開するのかも非常~に楽しみです。

以下反転ね。

アンちゃんはお菓子販売の才能たっぷりあると思うし、立花さんが職人の後、独立開店したら奥さんになって売り子ちゃんで切り盛りとかいいよねえ…なんて妄想が暴走するわけですよ。

しかしそれは出来すぎ…というか、下手な少女マンガのエピソードみたいにもなっちゃうよねー。って、一読者が何をそこまで考えてるんだつー話ですよねーwww

 

ここで終わり、じゃなくて続きが期待!のシリーズなので(そのあたり主人公の年代が近いけど『シンデレラ・ティース』とか『ホテルジューシー』とは作品のタイプが違うね)展開が難しそうな気もしますが、でもやっぱりさらに続巻が楽しみです。

願わくば、次の巻はもう少しインターバル短く出版されてほしいものですが、丁寧に書かれて少しずつ変化するのがこのシリーズのよさでもあるので、ファンは既刊2冊を読み返しながらグッと我慢だな。

 

あ、初読でも再読でも、このシリーズを読むときはお菓子とお茶を手近に置くのがおススメです。美味しい作品なので、ゼッタイ食べたくなるから。

作中に出てくるお菓子(や食事)と飲み物ならなおいいけど、なかったら手ごろな甘いお菓子とそれにあう飲み物でも全然オッケー。

気持ちとお口、ダブルで幸せになりましょうね~^^

 

 

追伸:前のブログで『和菓子のアン』も紹介しているので、過去記事のリンクも貼っておきますです。よろしかったら合わせてどうぞ!

honwagohan.blog19.fc2.com

 

だれもが知ってる小さな国(有川浩・文 村上勉・絵 講談社)

やっと読みました~\(^o^)/

 

『小さな国』シリーズ 有川浩Ver. いよいよ開幕

有川作品のコロボックルシリーズはもう1冊、『コロボックル絵物語』がありますが、こちらは正直いって、どうもそのー…だったので、この作品も読むのはおっかなびっくりでした。

なにしろ、シリーズを著者バトンタッチで続けるという、類をみない続行ですからね。しかも児童文学の作家ではない方が話を続けるわけですし。いろいろ勝手が違って大変だったのではないでしょうか。

 

作中に『小さな国』シリーズも出てきて、新シリーズであることもしっかりアピールしつつ、文体や言い回しなども違和感なし。

佐藤さとるVer.からの読者も安心して読めます。流石だー、と感心です。

また、枝分かれしたコロボックルたちの物語にもなっていて、構造も面白いですね。

違う著者が同じシリーズを書いているのだということを理解して読む大人はにんまりしながら、有川ファンでこれが初コロボックルの読者は、この巻のあと、シリーズ初巻に遡りも可。まったくもってうまくできております。

個人的には最後の展開があれもこれもと逆転のオセロのようなひっくり返しっぷりで、ちょっとくどいような気もします。が、これは嗜好性の範囲なのかな…。

 

総合的にみて、上手に佐藤さとるコロボックルを踏襲しつつ、有川らしさもにじみ出た、まさに融合の1冊!でした。

 

 

とはいえ、作品を読みながら、今後のシリーズについて頭を離れない1点がありましたので、作品を離れての個人的メモとして書き留めておきます。

 

わたしはこのコロボックルシリーズの代替わり、何年か後にもう一回大きな転機をむかえることを意識せずにいられないのです。

 

はい。挿絵の変更、ですね。同じ連想の方もいらっしゃるでしょう。

 

佐藤さとる有川浩へのバトンタッチは村上勉の絵によって繋がれているので、視覚的にそれほど大きな違いは感じられないのですが、この先もシリーズが続くのであれば、いつかは村上勉から絵をバトンタッチされる挿絵画家も現れるはず。

 

どんな人になるのか、そしてどのような形で引き継がれるのか?

 

今はまだまだ未知数ですが、この代替わりが行われたときにコロボックルの世界にもさらに変化がもたらされるのでしょうね。

 

 

『だれもが知ってる小さな国』は、新しいコロボックルの世界への第一歩が踏み出された作品でもあり、さらなる次のステップを考える作品にもなったのでした。

前シリーズからのオールドファンの一員として、これからのシリーズの行方も楽しみに読み続けていきたいものです。